病院局トップ病院事業経営改革評価委員会開催状況>H26第1回議事概要

平成26年度 第1回 函館市病院事業経営改革評価委員会議事概要

■日時:平成26年6月4日(水) 17:30~18:40
■場所:市立函館病院 2階講堂
■出席者:岩田委員長,鎌田委員,藤原委員,伊藤委員,熊谷委員,
     吉川委員,泉山委員,加藤委員,渡辺委員
■事務局:秋元次長,本間庶務課長,根本経理課長,野呂医事課長,小川参事,
     大島医療連携課長,福井恵山病院事務長,加我南茅部病院事務長

1.開 会

□秋元次長
本日はお忙しい中お集まりいただき誠にありがとうございます。定刻となりましたので,ただいまより平成26年度第1回函館市病院事業経営改革評価委員会を開催いたします。なお,木村委員は本日公務により欠席となっております。また,新たに委員に加わりました熊谷委員が初めて出席されておりますので,ご挨拶をいただきたいと存じます。よろしくお願いいたします。

■熊谷委員
ただいまご紹介いただきました,南茅部の熊谷でございます。役職は南茅部の地域審議会の会長,そして南茅部地域の町内会連絡協議会の会長もやっております。無理矢理押しつけられた感がありますけれど,自分なりに一生懸命やってきたという自負もあります。ただ,この委員会の委員を当初お願いされた時には,先任の秋本さんがその道のプロだったものですから,色々なことで意見を述べてきた経緯があると思います。私が,秋本さんのような意見を述べられるかどうか,たぶんダメかなと思いますけれども,皆さんのご指導をいただきながら,その責任を果たして参りたいと思っておりますので,よろしくお願いいたします。

□秋元次長
ありがとうございました。それでは本日の議事に入らせていただきます。岩田委員長,議事の進行をよろしくお願いいたします。


2,議 事

■岩田委員長
暑いところご苦労様です。また熊谷委員,よろしくお願いいたします。それでは本日の議題ですが,議題は一つしかございません。平成25年度函館市病院事業の経営実績についてということで,審議をしていきたいと思います。お忙しい方ばかりですので,効率良くやりたいと思います。よろしくご協力お願いいたします。それでは事務局から説明をよろしくお願いいたします。

□資料に基づいて根本課長説明

■岩田委員長
ありがとうございました。前回から各病院の院長先生にも委員として参加いただいていますので,院長先生の立場として追加のコメントをいただけたらと思うんですが,今日は木村委員がいらっしゃらないので,函館病院は吉川委員,よろしくお願いいたします。

■吉川委員
平成25年度は,3億円の一般会計への借入金返済と,放射線治療科の休診があって,約6億円近いビハインドがあったんですが,患者数に関しては他の診療科がその穴埋めをしてくれて,患者数を増やしてくれたということと,それから単価を上げることができたということが,黒字の要因になったと思います。ただ,経費の部分はなかなか削減出来ていないというのが26年度,27年度に向けての課題になっております。そこを今後どうするか,ジェネリックだけでは対応出来ませんから,各診療科の指導等含めて,コスト削減をやらなければならないだろうと考えています。

■岩田委員長
ありがとうございました。それでは泉山委員,お願いします。

■泉山委員
恵山病院の泉山です。平成24年にドクターが1人と長年勤めてくれた看護師さん1人が定年退職し,24年と25年を比べて医業収益は若干落ちていますが,5人から4人になったドクターの給料分,それから退職金などを合わせた人件費の減少によって,プラスになったという事だと思います。今年度,平成26年度は医業収益を伸ばしたいと考えておりますが,なかなか厳しい状況が続いています。恵山地区で人口が1年間で約100人,それから椴法華地区で約50人程減少していて,やはり患者さんが少なくなっているということです。ただ,恵山地区に「めぐみ」という高齢者住宅が出来まして,そこに施設在宅のような形で昨年から診療に行くようになりました。それが少しプラスに働くでしょうが,経営的には大変厳しいと感じております。以上です。

■岩田委員長
ありがとうございました。それでは加藤委員,お願いします。

■加藤委員
南茅部も,恵山と同じように人口が減っているということで厳しいのですが,一般の入院患者さんは同じくらいで推移しております。療養の方は少しずつ増えて,昨年は15人くらい,今年は今日の現状で17人です。今後,療養の方はまだ増えるかもしれません。外来の患者数がだんだん減っておりますので,今まで無料でやっていた電話診療を,再診扱いにすることとしました。だいたい皆さん1ヶ月に1回,2ヶ月に1回の診察で,療養についての指導をなかなか頻繁に出来ないということもあって,今年の4月から,電話再診料をいただいております。

■岩田委員長
どうもありがとうございます。外部委員の方から質問・意見をいただきたいのですが,順次指名させていただきます。まずは伊藤委員,お願いいたします。

■伊藤委員
函館病院に関しまして,病床稼働率も上がっていますし,入院単価も上がっているということで,患者の要請が多いということで,非常に良かったと思います。単価に関して質問なんですが,確かDPCⅡ群からⅢ群になりましたよね。

■吉川委員
平成26年度,今年度からです。

■伊藤委員
今年度からですか。先に飛んでしまう質問になるかもしれませんが,Ⅱ群からⅢ群になることによってどれくらい年間で収入が減るのでしょうか。

□根本課長
試算で2億5千万円くらいの減収と見込んでおります。

■伊藤委員
わかりにくいと思うんですが,高度な医療機関は単価が違うんです。北海道では3件しかなかったDPCⅡ群から,市立函館病院は,1ランク下がってしまった。手術件数のせいですか。

■吉川委員
手術件数とベット数が多めなのがからんでいます。分母となるベッド数を減らすことを考えています。

■伊藤委員
Ⅱ群というのは非常にハードルが高い。私も正直言いまして市立函館病院が選ばれたという時にはびっくりしたくらいです。それぐらいの快挙なので,なんとかまた返り咲きできるように努力いただければと思います。それから,入院単価はおそらくこの辺で一番で,内容の深さを伺わせる数字ですが,先ほどジェネリックの話が出ていましたけど,ジェネリックの使用率は何%ですか。

□根本課長
12ページになりますが,医薬品の採用状況というところで,金額ベースではなく品目ベースになりますけれども,58.6%という状況になっております。

■伊藤委員
これは国の基準のパーセントの出し方で出ていますか。

■渡辺委員
実際に後発品があるもののうち,どれくらい後発品を採用しているかという数値です。

■伊藤委員
未収金の2億円というのは,常識的に考えてすごく多い。本当の未収金,回収不能な未収金というのはどれくらいになるのでしょうか。だいたいでいいですが。

■渡辺委員
この会議でも何度か言い訳していますが,昔,時効の援用がないと,不納欠損処理が出来なかったものですから,過去の回収出来ない未収金を,ずっと抱いていた状況がありました。現在,毎年回収出来ないのはだいたい1,800万円から2,000万円くらいです。3年間で時効になりますから,いずれ6,000万円弱の未収金に落ち着くと思うんですが,今はまだ過去の未収金を毎年不納欠損処理している途上にある,ということでご理解いただきたいと思います。

■伊藤委員
函病では,未収金として回収不能が発生するのは2,000万円前後ということですね。皆さん多いと思うかもしれませんが,こういう病院が2,000万円で済んでいるのはいい方だと思います。 
あと恵山と南茅部に関しては,地域の医療に健闘なさっていると思っています。地域に病院が無いといろいろな弊害が出てきますので,大変だと思います。以上です。

■鎌田委員
会計の専門的な話で恐縮ですが,2ページの表に損益勘定留保資金というのがあります。これはどういった性質の数字でしたでしょうか。といいますのは,この数字を引いた後の当年度財源過不足額という数字で,皆さん,黒字・赤字とおっしゃってますよね。その損益勘定留保資金とは何だったのかなと。まもなく,公営企業会計基準が変わります。この議論は過去のものになるんですが,改めてお聞きしたいと思います。

□根本課長
損益勘定留保資金というのは,現金の支出を伴わない減価償却費ですとか,資産減耗費です。実際にお金が流出しないのですが,費用として会計上,見ているものです。当年度財源過不足額は,資金ベース,つまり実際のお金の増減を捉えておりまして,損益勘定留保資金は引き去ります。

■鎌田委員
今の話で,費用であるだけで支出を伴わないものということでしたが,それはストックですか,当年度のフローですか。当年度の減価償却費は10億あるということですか。

□根本課長
はい,そうです。

■鎌田委員
考えていただいた方がいいと思うのが,収益マイナス費用,これが通常当期の損益です。先ほど当期純利益または経常損益に対応するものと事務局の方がおっしゃっていました。私もそう思います。ですからこれが,通常いうところの赤字・黒字という数字だと思います。その下の数字,当年度財源過不足額を当年度の経営成績と考えるべきかどうかはいろいろ議論があります。この点を指摘しておきます。以上です。

■岩田委員長
この件は前回も前々回も指摘されたのではないかと思います。公立病院独特の問題だと思いますが。

■渡辺委員
鎌田委員のおっしゃるとおりですが,全国の自治体病院の経営が厳しい中で,平成20年に国がガイドラインを示して,各病院が改革プランを作って経営改善に努めることとされました。その時の考え方は,損益ベースで黒字を出すのはもちろん大事なことなんですが,まず資金ベースで累積の不良債務をなくする,ということでした。函館市の病院事業も,まず資金ベースで黒字を出すこと,そして資金ベースの累積赤字を解消していくことをまずは目標に進めて参りましたので,資金ベースでの黒字・赤字を基本に説明をしているところです。

■岩田委員長
納得ですか。

■鎌田委員
今申し上げたように,当期の損益が指標になります。この収益マイナス費用は一般会計繰入金が入った後の数字ですが,公的病院としてふさわしくないかというとそんなことはないと思います。大事なことは病院の建て直しのために,現在はどうかがより明確になる指標を,自らすすんで採用するということだと思います。今,自分の姿がどうであるかということを明確に認識しようと努力することと,制度上,公立病院をどうもっていこうか,どういうふうに支えていこうかということとは,別の事と考えていいだろうと,私は考えています。以上です。

■岩田委員長
どうもありがとうございます。それでは藤原委員お願いします。

■藤原委員
まず,努力されているのがよく分かります。今後,今まで以上に努力することによって,黒字ベースの経営が続くもとの思っておりますので,今以上の経営改革をお願いしたいと思っております。以上です。

■岩田委員長
どうもありがとうございます。それでは熊谷委員お願いします。

■熊谷委員
初めてのことで,数字がいっぱい出てきて,ちょっと戸惑っております。南茅部病院は,25年度,1,100万円の赤字ということですね。南茅部町時代に一般会計から繰入が2億円ちょっとくらいあったんですよね。それが合併して10年経って3/4になった。ベッドの稼働率が70%くらいの中で,これだけ赤字を少なくしてくれたのは加藤院長先生のご努力のおかげだなと,地域としては感謝しています。70%強くらいのベッド稼働率についてですが,外来で加藤先生に診ていただいた時に,なるべく入院まで至らないような,治療なり指導をしていただいているおかげかなというふうに感謝をしています。その中で赤字が毎年減少傾向にあるというのは大変なことだと,これもまた感謝の一言に尽きると思っております。これからも,少しずつでも解消のために,ご努力していただけるよう,お願いしたいと思っております。

■岩田委員長
ありがとうございます。色々意見をいただきましたが,私からも2,3気になるところを質問させていただきます。まず,市立函館病院ですが,先ほど説明の中で,借入金の返済や放射線の休止などがあったということですよね。そのためか,増収減益になっています。毎回,私は黒字になったことに対しては非常に高く評価はしていますけれども,黒字はいつまでも続く話ではなく,必ず状況が変わってきます。黒字を維持するためには,どうしても体質強化が必要だと,いつも考えております。その中で,病院で人件費を削ることはあり得ないということになると,あとは医業費用の中の材料・経費・その他というところですね。この中で毎回言っています材料費,25年度について見ると,今までよりもさらに大きくなっています。気になっていろんな方に聞いてみると,函病が目指す高度な医療をするには,高度な材料,高度な薬品が必要だと,だから高くなるのは当たり前だという話でした。そうは言うものの,それをそうだよねと言っていると,また昔に帰るような気がするんです。私が一番気になるのは,それが悪いということではなくて,我々外部の人間ですので出てきた数字だけで判断させていただくんですが,数字の中に努力された跡が見える,年々減っている,または同じ領域でカバーされている,そのような話であれば,頑張っておられるなと思うんです。でも,前年に比べて材料費が上がっていると,良い医療をされているからいいよ,黒字になっているからいいよ,とは簡単に言いにくいなと感じます。これについてどなたかお答えいただけますか。


■吉川委員
まず,病院には色々な診療科があります。診療科の中には,比較的費用をかけなくても稼げる科と,費用がかかる科があります。私自身の考えでは,25年度は比較的コストの高い科が頑張ったという事情があります。放射線治療科は,コストがかからないで収益を上げてくれる診療科です。そこが減って,比較的コストのかかる科が頑張ったということで,必然的に材料比率が上がったと,私は見ています。ただ,それだけでは済まない要素もありますから,コストのかかる科に,ここは削減してくれという指導は必要と思います。

■岩田委員長
それについて2件ほど。1つは毎回申し上げているんですけれど,材料の購入のほかに,材料管理を外部委託していることでお金がかかっています。ここのシステムについて,メスを入れてはどうか。要するに,今の買い方,今の使い方,今の決め方がいいかどうかということです。医療の進歩で高い薬,高い材料を使うから,結果こうだという説明と同時に,その買い方について,こういう改革を考えているということを言っていただきたい。システムを変えないと,ボディーブローのように効いてきて,どんどん増えていく。そこを,ボディーブローが効かないような強い体質になるように,これから考えていただけたらと思います。放射線治療科が再開されている26年度の当初予算案と比較して見ていますが,放射線治療が休止している時に頑張られた方が,去年頑張ったから今年頑張らないという話はないと思うので,足せばもっと利益が上がるのではないかと思います。その数字が26年度は見えてない。このカラクリがよく解らないので説明をお願いします。

■吉川委員
放射線治療科については増収を考えていますが,先ほど言ったⅡ群からⅢ群に落ちたとこにより,単価が下がるだろうという見込が一つと,消費税が3%上がることによる減益です。このへんが大きいので,26年度の予算を組む段階では,それほど大きな利益は見ていません。ただ,4月,5月の経過を見て,年度の目標は改めて考えると院長は言っています。もう一つ,私自身懸念しているのは,消費税が上がったので,景気がいいとは言いながら,受診抑制がかかるのではないかということです。そこははっきりわからないので,4月,5月の経過だけで判断はできないかもしれません。

■伊藤委員
支出予算を決める時というのは,一定の掛け率で見ますよね。収入が増えたら医薬材料費が増えるのは当然ですよね。それに対する割合が年度を過ぎてどうなっているかを見て,改善したかしないかが判断できるのではないでしょうか。

■岩田委員長
改革プランのこの委員会はあと1年か2年で終わりますが,病院はこれから先,何年も存在するわけです。老婆心ながら思っているのは,この委員会はオープンに議論されていますが,それがなくなった時にどうなるか。最初,私に委員長をやれと言われた時,函館市の財政がもたないような話が市長からあった。委員会が閉じて,また見えなくなった時にどうなるかというと,体質をちゃんとする事が一番必要なことなので,ぜひご検討いただけたらと思います。
二つ目ですけれども,前回の会議の時に,加藤委員から南茅部の状況は構造的なものだというお話しがありました。今日,泉山委員の話を聞いて,やはり地域の抱える構造的な問題なのかなと。人口減などもそうです。今は3病院丸めて,函病の黒字分で全体が黒字になっているという計算です。外部的にはそれでいいと思いますが,内部的には,一つは黒字の病院,二つは赤字の病院があることに変わりはない。病院局として,三つをうまくコーディネートすることについて,どのようにお考えになっているか。構造的な問題だというのであれば,構造的に改革していかなければならない訳で,体質や病院の努力ではないという気がするんです。そこについて,どうお考えになっているかお聞きしたいです。

■渡辺委員
市立函館病院だけが黒字で,他の2病院が赤字というわけではありません。先ほども説明しましたけれども,恵山病院は資金ベースですが,平成25年度13,000千円の黒字です。平成21年度も11,000千円の黒字です。透析を中心として,患者さんは減っていますが,収支均衡,少し黒字を出せる水準の病院です。それから南茅部病院も赤字は続いてはいますけれども,先ほど熊谷委員からお話しがあった通り11,000千円の赤字という,合併前に,一般会計が相当大きな財政負担をしていた時に比べると,経営は改善しています。恵山・南茅部病院2つの病院で収支はトントン,25年度は黒字になっています。そういう状況にあるという事を申しあげておきます。


■岩田委員長
ごめんなさい。言い方が悪かったですが,要するに,病院局を作った主旨は,そういうものも含めて3つの病院をうまくコーディネートしていくためと聞いています。病院局ができてからたいぶ経ちますので,どういうふうに動いていて,どういうふうになるのかというのをぜひお聞かせ願いたい。

■吉川委員
最初に井上前局長がやられたことは,恵山・南茅部を一病棟化して効率化を進めました。急性期病院の本院は,ある程度投資をしてもそれなりに回収できます。ただ,恵山と南茅部病院に関しましては,療養を抱えていて,投資をしてすぐ回収出来るという構造には,今の診療報酬制度の中ではなっていないんです。それから,病院局なんだから医療者を自由に行き来させたらいいんじゃないかということですが,なかなか難しいのが実情です。本院の医師,看護師も決して充足しているわけではないからです。それが出来れば,病院局として人事交流して,何らかのプラスに働くのではと思いますが,今のところはそこまで出来ない事情があります。それと,距離的にかなり離れているんですね。近ければ入院患者の行き来ができますが,函病からの転院先として恵山病院を紹介しても,遠すぎるとおっしゃる方が多い。そういう問題がネックにあって,なかなか連携が取りにくいということです。

■岩田委員長
前回,加藤委員がおっしゃった地域医療が抱える構造的な問題については,これから先も問題にあって改善できないと理解するしかないのでしょうか。

■伊藤委員
委員長の質問も,吉川委員のお話しも理解出来るところなんです。私はその原因の一つが,日本国民があまりにも高度な物を好き勝手に受けられるようになっている時代にあると思います。「神の手」指向といいますか,自分だけは常に一番いい医療を受けたいという指向です。普段は地元の恵山病院で診てもらって,何かあったら函病へ行けばいいと言っても,最初からわざわざ函館まで通ってきてしまう。それで函病の外来患者が増えていて,なかなか減らない。入院も然りですね。急性期病院では出来ないことまで要求してくるから大変です。民間だと強引にできても,公立だと難しい。各病院は診療所にして,外来診療にしてしまうというしか,究極の改善はないのではないかという気はします。

■岩田委員長
この件について,委員の皆さんご意見ありますか。皆さんご理解出来ているようですが,私はあまり理解できていません。このままでずっといくんですかという難しい話だし,すぐには答えが出ないというのはよく解りますけれども,それをどうするかっていうのは是非検討いただけたらなということで話を出しました。

■鎌田委員
先ほどもお話しがございましたが,公立病院ですから,ある意味赤字であってもいいんです。ただその赤字の前に繰入金がどれくらいかという話もあります。それにしても公立病院は赤字ではいけないということではない。逆に言いますと,黒字でできるならそもそもパブリックセクターは必要ない訳です。黒字ではできない分野の活動であるから,パブリックセクターは必要だと思うんです。先ほど問題提起したのは,黒字であるか赤字であるかということを明確に見る必要があるということでした。その話に関連してですが,たいへんサマライズされた資料をお作りになっていて,よろしいかと思います。一方で,会社の役員会ではサマライズされた資料の元になっている資料,例えば私の領域で言いますと,損益計算書の詳細とか,あるいは貸借対照表の詳細を後ろに付けております。そうすると,短時間でもそれぞれの詳細資料をざっと見られる。サマライズされた資料からは明らかではないが,こちらを見ると分かる。例えばという事で申しますと,繰入金についても,国の基準のものなどがわかるようなもののご検討をおすすめいたします。以上です。

■岩田委員長
他の委員の方何かございますか。熊谷委員どうぞ。

■熊谷委員
私は,単純に赤字だとか黒字だという比較でいいのだろうか,と思います。函病はそれなりの高度な医療機器を導入してやっている,恵山病院は療養型でありながら透析もやっている,南茅部はそうではないんですね。一般の患者さんを相手にして,重篤にならないまでも入院を要する患者さんを収容している,ここらへんの差だと思うんです。その中で先ほど言ったように,これだけ赤字が圧縮されてきた。私は本当に大変なことだと思います。中味を評価していただきたいなと思うし,また本体として函病が努力されているというのは当然のことですから,強者が弱者の面倒をある程度見るのも世の常なのでは,という気もします。

■岩田委員長
決して赤字だから悪いだろうと言っているわけではなくて,先ほど鎌田委員が言われたとおり,各々の病院が独立してやっているのではなくて,ここはこういう状況だから強者が助けるところであるとか,ここはやむを得ず市の税金でみようとか,そのコンセンサスがなくて,結果的にはあそこは赤字だね,黒字だね,みたいな話が先行するのが一番怖いと言っているわけです。さらに言うと,3つをまとめて決算こうでした,黒字でしたと言ってしまうと,それで隠れてしまうことがあるのではないか。私が気にしているのは,今まで本当に大変だった時代から皆さんが努力してきて,そろそろ改革プランの終わりが見えて来ている時に,ここで黒字になったから良かったと言うだけでは,先に何も残らないような気がして,それを心配しています。この数年,皆さんの努力で良くなってきたことに対しては全然問題視していませんが,これから先,ここは税金でやるところ,ここは頑張るところの仕分けがちゃんと合意されて,初めて改革プランをこれだけ時間をかけてやった結果が出るのではないかと思っています。この委員会が終わった後も含めて,また以前のような経営悪化が起こらないようにするためには,どこを合意して,どこに手を入れる準備をしておいたらいいかを,ぜひお考えいただきたい。どういうふうに3つの病院が助け合えるかを考える時期なのではないかと思います。決して2つの病院が赤字だから悪いと言っているわけではありませんので,ご理解いただければと思います。何か反論はありますか。

■加藤委員
構造的な問題についてですが,たとえば入院の場合,入院基本料の加算がほとんど取れないんです。加算を取るためには,看護師さんとかスタッフをもっと増やさないといけない。単価でみても南茅部は25,000円くらい,函病は70,000円ですから。その分,もちろん函病は人件費とか費用がかかっていますけれども,うちでそういう加算を取るようなことをやると,人件費で圧迫されてしまいます。以前は入院基本料10対1でしたが,在院日数が21日と厳しくて,24日くらいにしておかないとベッドの回転が難しいので,今は13対1にしています。昔は赤字と熊谷委員おっしゃいましたが,看護師が全然いなくて,1日の単価が10,000円切っていました。それで療養を止め病床数を減らし,少し基本料が上がったので,昔からみると赤字は減っております。あとは人的なことで,ドクターや看護師の確保が難しい。今も薬局長が退職した後,また再任用と言っています。放射線技師も一人です。患者さんも歳を取りますが,職員も歳を取り定年で辞めてしまう。その時に人事交流ができればいいんですが,函病自体も難しいと。後任のドクターを探しても見つからない状況があって,そういう中で,なんとか今の13対1を確保して,単価が下がらないようにやっている状態です。

■岩田委員長
人の話も含めて,やはり無理が出来るのは函病だけなのかなと思います。購入を一括でやるとか,先生や看護師さん以外のところで,ぜひ検討いただければ。要するに独立して3つあれば,未来永劫同じ状況ですよね。だんだん人口が減っていきますので。この件は切り上げますが,それ以外に何か指摘いただく事項があれば。なければこれで終わらせていただきます。よろしいでしょうか。事務局の方,お願いいたします。

□秋元次長
どうもありがとうございました。次回の委員会は26年度の上期の事業実績を議題にして,10月の開催を予定しております。皆様には改めてご案内させていただきます。以上を持ちまして本日の委員会を終了いたします。ありがとうございました。

3.閉 会

Copyright (C) 2013 hakodateshibyoinkyoku