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平成30年度 第4回
函館市病院事業経営改革評価委員会議事概要

■日時:平成31年2月18日(月) 17:00~18:30
■場所:市立函館病院 精神病棟2階体育館
■出席者:鎌田委員長,伊藤委員,高橋委員,斉藤委員,熊谷委員,
     氏家委員,森下委員,川﨑委員,加藤委員,藤田委員
■オブザーバー:市立函館病院 佐藤副院長,成瀬副院長,中西副院長
        益子看護局長
■事務局:桐澤管理部次長,大島函館病院事務局長,本間庶務課長,
     熊木経理課長,大吉医事課長,崎野医療連携課長,
     船木医療情報企画課長,野呂恵山病院事務長,佐藤南茅部病院事務長

1.開 会

□熊木経理課長
本日は,お忙しい中お集まりいただき誠にありがとうございます。
それでは定刻となりましたので,ただ今より平成30年度第4回函館市病院事業経営改革評価委員会を開催いたします。
それでは,本日の議事に入らせていただきます。鎌田委員長,議事の進行をよろしくお願いします。

2,議 事

■鎌田委員長
それでは本日の議題について,次第に沿って進めてまいります。まず,平成30年度函館市病院事業の事業実績12月末,第三四半期の説明を事務局からお願いします。

□資料に基づいて熊木経理課長説明
・平成30年度函館市病院事業の事業実績(12月末)

■鎌田委員長
ありがとうございました。
今までのところにつきまして,質問ございますか。
函病については,利益ベースでも資金不足ベースでも前年同期より7億円改善しているということです。
引き続き事務局から,平成30年度2月補正後予算額と31年度当初予算案について,説明をお願いします。

□資料に基づいて熊木経理課長説明
・平成30年度2月補正後予算と31年度当初予算案について

■鎌田委員長
第三四半期の数字を受けて赤字が減るという方向の補正ということです。それにつれて31年度は赤字が少ない予算を市に提出するということです。
ここまでのところで質問ございますか。
次の,(新)函館市病院事業改革プラン「収支計画」の見直しの説明も通してやってしまいましょう。

□熊木経理課長
・(新)函館市病院事業改革プラン「収支計画」の見直し

■鎌田委員長
ここまでのところで質問ございますか。
それでは,内容に入ってきます。氏家委員いかがでしょうか。

■氏家委員
職員の努力のおかげで函病の収支は改善してきました。ただ,病院が古くなってくると資本的支出が増える可能性があるので,この計画どおりいくかどうか,執行部としては非常に不安を感じています。院内の業務改善,効率化を進めながら,計画どおりに進んでいくように努力していきたいと思います。

■鎌田委員長
伊藤委員,いかがでしょうか。

■伊藤委員
利用率が上昇して非常に好ましいと思います。

■鎌田委員長
改革プランの見直しについてですが,31年,32年については前回のプランとそれほど変わっていないということですね。前回のプランとの違いは,このようなすばらしい売り上げを達成できるとは思っていなかったけれども,それが今年の努力で達成可能な数字になってきたところだと思います。
森下委員,事務局の説明についていかがですか。

■森下委員
新規入院患者数の増が最大の要因だと思っています。2年前に比べてひと月で100人増えています。かなり改善されてきたと評価しています。また,医療材料費ですが,平成27年度は37%だったのが,今年度は33%まで下がってきていますので,良かったと思います。ただ,人件費に関しては,ボーナスカットがあったので前年比では増えていませんが,それが無いと2億近く増えている。人件費を効率化して今後急上昇していかないようにすることが課題だと思います。

■鎌田委員長
3病院合計で,利益ベースで7億くらい改善している。資金過不足も改善している。すごいことだと思います。民間企業の再生や経営改善でも,こんなに大変な改善は珍しい。
高橋委員,いかがですか。

■高橋委員
経営効率化に向けた取組の実績で,入院件数が増えたのは,地域診療応援が増えたことが影響していると思いますが,なにをやられたらこのようになったのでしょうか。

■森下委員
3つ要因があると思っています。1つは病院の広報を以前に比べて徹底した事です。私たちの病院はこれまで広報誌が無かったので,去年の10月に初めて作成しました。今後は年に2~3回ほど発行したいと思っております。さらに,ホームページを専門家からのアドバイスをいただいて,非常に見やすく改革しました。患者満足度もかなり上がっています。あと一つは,地域医療支援病院として,各地域からの援助のご要望に対して,来年は長万部より南の道南地区で,1施設以外は全て医師等を派遣することとしており,以前に比べて地域にかなり溶け込んでいけるのではないかと思います。最後に,外来等にかかってもいいですかという依頼に対して,これまでは担当のお医者さんに確認してもう一度電話するという事で予約するために時間がかかっていました。それを,枠はまだ不十分なのですが,自動枠というのを設けているので,その場で予約の返答が出来る例も少しずつではありますが増えていること。この3つが大きな要因だと思います。

■高橋委員
入院患者が増えたことと,他病院に医師を出すということで余計忙しくなると思うのですが,うまくバランスが取れているのでしょうか。

■森下委員
うちの病院から医師が行くとFace to Faceの関係になりますので,紹介がしやすくなりますし,その病院の患者さんを発掘してくるという両方の意味があります。バランスについては,無理なく運営しております。

■高橋委員
効率化という意味では,手伝いに来てもらうという観点もあると思いますが,そういうことはありますか。

■森下委員
当院へ手伝いに来ていただくまでは地域病院では余裕がないと思います。ただし,例えば奥尻病院の検査技師の方が手伝いに来るというより当院へ勉強しにきて,また地元に帰って,その勉強したことを生かすということはあります。奥尻とJOINというSNSで繋がっていますので,困ったことがあればそれを使ってこちらの職員と相談もできるというシステムの構築も,徐々に達成できていると思います。

■高橋委員
収支計画見直しの資料の1ページ目に,達成できてない目標が2つ書いてあります。今年度中にやる予定が達成できないということで,これは反映させなくてよろしいのですか。

■森下委員
DPCⅡ群病院に関しては,下から2番目の大学病院の成績を超えるとⅡ群に認定されますが,うちの病院が取れてないのは手術数だけです。大学病院も自立が求められて各科とも満遍なく手術数を増やしているので非常に難しい状況にあります。
また,精神科に関しては,道内の医育機関ならびに弘前大学に派遣のお願いに行っておりますが,まだ派遣していただけるという返答はもらえていないのが実情です。医局自体に人がいなく,何年かして地域枠の医師が入ってくると好転するかもしれませんが,3年から4年くらい時間が必要ですので,すぐには達成できません。

■高橋委員
単に事務的な手続きで,直さなくてよろしいのですか。

■鎌田委員長
精神病棟を今の立場で再開すべきなのかということです。いろいろな業務がありますので,それも含めて。

■藤田委員
そこは非常に難しい部分ですので今すぐお答えはできませんが,元々30年度に見込んでいた2つにつきましては,効果額で2億5,000万程見込んでおりました。6,7ページをご覧いただきたいのですが,右側7ページの単年度資金収支の30年度で,1億8,000万の赤字を見込んでいたものが今回1億7,600万となっております。改革プランを当初作った段階では効果を入れていますが,今回は入れておりません。入れなくて数字が合っているのは,材料費の比率を下げているためで,結果的に2つの効果額2億5,000万円分を材料費の比率の削減と,支出の削減で賄っているということで,数字が近いものになっています。ですから数字的には,精神とDPCⅡ群は今回見込まなくても収支が取れたという計画を作らせていただきました。これを全く諦めたということではございません。ただ将来的に精神病棟は,病棟を持つか持たないかという話になりますので,ここは検討課題とさせていただければと思います。

■高橋委員
アクションプランで目標を立てていますよね。直してしまったほうがいいような気がしますが。

■氏家委員
それについては検討しておりますが,目標を一気におろしてしまうという事ではなくて,地域における函病の責任を見ながらと思っています。

■藤田委員
函館市における精神病棟の扱いなど,地域全体の話もでてきますので,函病が精神病棟の入院施設を辞めますとは言いきれないところです。

■鎌田委員長
要するに,計画の数字の中には,31,32年度に精神病棟,Ⅱ群病院は入っていないということですね。高橋委員がおっしゃったのは,鑑の文章からも消して,これが達成できなかったではなく,方針変更で達成できなかったのであればそれでいい。

■氏家委員
精神科病棟については,精神科医療の在り方も変わってきていまして,それを検討しながら。また,DPCはⅡ群を取れるのであれば取れればいいとは思っていますが,そこを達成するために何かを無理してという事ではなく,そういう事が出来るのであればもちろん取得したい。それを今後どう表現していくか。31年度は色々な意味でトーンを落としておこうと思っておりました。

■鎌田委員長
高橋委員がおっしゃっていたことと同じような観点からですが,「平成29年度では約4億7千万円の未達成額を生じることになりました。」とあります。これもいわば前の改革プランではこのような数字だった。今は状況が良くなった,何とか達成できる数字になってきたということを書く必要があるのでは。

■藤田委員
ここの1ページ目は,経過を含めまして説明と言うことで作らせていただいたので,28,29年度の状況も書かせていただいております。

■鎌田委員長
これだけいい状況なのに,市民の皆さんが誤解するといけない。

■藤田委員
あくまで単年度の資金収支の数字をご説明するとそのようになるという事で,28,29年度の実績の説明という事です。

■鎌田委員長
DPCⅡになるかⅢになるかで,利益はどのくらい違いますか。

■藤田委員
新改革プランの作成当時で1億4,000万くらいです。

■鎌田委員長
ⅡかⅢにこだわっても数字は1億ちょっとしか変わらない。それならドクターやナースの確保や,やる気によるところも大きい。

■森下委員
Ⅱがもし取れれば経営的に楽になりますが,先ほどもお話ししたような原因で,手術数をもの凄く増やさなくてはいけないので,現実的ではない。そんな無理な事をするよりは,他の部分で経営に資するほうにいければと思っております。手術適用ではない人を手術するというのは医療として邪道ですので,そういったことはやらないように考えています。精神科に関しては,精神科救急など色々な問題がありますので,私たちとしても病床を再開できた方が本当はありがたい。しかし,氏家委員と1月に弘前に,また,2月には札幌医大へと各精神科の教室を回ってお願いをしてきましたが,教室自体に人がいない現状ですので,ここ1~2年ですぐ再開ということにはならないと先ほどお話しさせていただきました。

■鎌田委員長
精神病棟は膨大なフロアが空いています。別な方向で有効活用ということは考えていませんか。

■氏家委員
それについては函病に来た当初から考えておりまして,この建物自体がただ朽ち果てるというのは非常にもったいないので,現在,それらについて現実的に動き始めています。精神病棟を使うことで函病自体のスペースをある程度空けて,そこに働きやすさや患者サービスにおいて良いようなスペースを作って行こうと思って話し合っております。

■鎌田委員長
熊谷委員なにかございますか。

■熊谷委員
新しい計画の見直しで,前向きな考え方で大変結構だと思います。厳しいものがあるのかなと思いましたが,今まで以上に頑張っていただければと思います。ただ一つ聞きたいのが,医療機器の購入に伴って,利息を返済していない分がある。ピークがいつ来るのかを教えていただきたい。

■森下委員
2017~2019年がピークです。そこを過ぎると返済額は落ちてきますので,2019年を乗り切れれば少し余裕がでてきます。

■熊谷委員
あとプランの中に,医療機器購入等の3億円計上している。必要なものについてはやむを得ないと思うのですが,数字の方からいくと厳しい部分があるのかなと。だとしても,ある程度余裕をもった計画を出来ないのかなという思いがあります。

■森下委員
ここ数年は年額1億5,000万円で一番苦しい時を乗り越えてきましたが,やはりこれくらいの規模の病院になると1億5,000万円ではかなり無理があります。あと先ほど氏家委員からも話がありましたが,2002年にできた病院ですので,こっちが思っていなかった機器の修理ですとか,建物の補修にお金がかかってきますので,3億円はやむを得ないかなと思っております。ただし,以前は医師の希望をすんなり受けていた部分がありますが,今は費用対効果を厳しく出してもらい,以前は院長が一人で決めていましたが,今はきちんと色んな分野の専門家のグループを作って,そこで購入等について決めるというようにしていますので,適正に使っているということです。

■中西副院長
森下委員が申し上げたとおり,医療機器導入検討委員会というものを立ち上げまして,色々要望を調整しながら行っております。今までは,同じような器械が色々な部署から要望が出ていましたが,それを集中管理することでお互い共有するようにして,院内での共有化が出来るような購入計画を立てております。

■鎌田委員長
ありがとうございます。今,熊谷委員がおっしゃられた3億の投資の数字が入っていて,31年度はゼロに近い数字になっている。

■藤田委員
32年度以降に影響が出てきます。7ページをご覧いただきたいのですが,右側の資本的収支という表が熊谷委員がおっしゃった部分に関係するところでございます。支出の欄で,建設改良費ということで,25,26,27年度がドクターヘリ,電子カルテ等の整備に伴っての支出です。この後リースになりますので,32年度で2億4,500万というように少しずつ増えておりますが,これがリース関係の支払いとなります。その下に,企業債償還金ということで,森下委員がお話ししていますが,支出がだんだん減ってくるということで,29,30年度がピークになりまして,20億から18億,そして15億7,000万と減っていくということで,ここで支出が減るというのが収支の改善につながってくる部分でございます。ここら辺の減り方がございますので,1億5,000万が3億となっても,ある程度対応出来ていくかと思います。

■鎌田委員長
資金不足比率というのが,30年度で19.8%,31年度で19.3%,32年度で18.2%と,20%から離れていくということですね。

■藤田委員
これは函館病院の数字ですので事業全体で見ますと13ページを見ていただきたいのですが,32年度には17.2%というところまで行けるのかなというところでございます。もちろん当初の改革プランでは15.9%まで下がる予定でしたが,途中赤字が大きくなった部分がございますので,現時点では17.2%まで下がる見通しでございます。

■鎌田委員長
6ページの市立函館病院の医業収益を見ると,30年度で171億ですが,これが175億,176億と少しずつ増えてくるんですね。

■藤田委員
30年度は先ほどもご説明しましたとおり,470人を切っている数字となっておりますが,31年度は470人と計画どおりの数字となっています。31,32年度の計画に差がありますのは,この精神病棟の診療報酬が入っておりませんので,計画からは3億程下がった数字になっております。その部分は材料費が減っているという形になっております。

■鎌田委員長
改革プランが達成できるかもしれないということでしょうか。正直事務局からこの数字のご説明を受けた時,大変な事になったと思いました。
南茅部病院や恵山病院の両病院についても,市の方で赤字を補填することになっています。想定した範囲内に収まっているのでしょうか。

■藤田委員
想定していた範囲がどのくらいということもありますが,少し多いかなというところで極端に多くはなっておりません。

■鎌田委員長
そうすると3病院トータルで先が見えるかもしれない。私はこの数字を見た時に本当にびっくりして,こんなことが世の中にありえるのかと思いました。これだけの成果は大変な事です。素晴らしいことだと思います。こんな事が続けられればいいと願う気持ちでいっぱいです。
氏家委員が着任された時に,函館の病院は素晴らしい人材がそろっている。だから大丈夫だと言っていました。私自身は信じきれなく,はっきり言うとあの当時のメンタリティーから脱却出来ていません。これが現実だというメンタリティーになれていません。そういうメンタリティーになるということが大事なのではないでしょうか。
現実に売り上げが何%伸びてくるということになると,現場の忙しさもそれだけ増えていると思います。今のこの素晴らしい状況を持続するためには,業務を削減していく,今までやっていた2重3重のことを減らしていって,現場の看護師やドクターの動き方を楽にしていく事が大事だと思うのですが,伊藤委員ご意見よろしいでしょうか。現場の動き方で重複ややらなくていいことを減らしていくことは出来るのでしょうか。

■伊藤委員
今のドクターは何人ですか。

■森下委員
92名です。それに研修医が30名程です。

■伊藤委員
100名ちょっとで入院患者数の平均が452人ということで,全国平均的な入院患者数に対する割合ですね。私がいつも一番気になるのは,どうしてこのベッドの稼働率が75%なのかなということです。患者さんがいないからなのか,回らないからなのか。民間からいうと正直に言って85~90%のベッド稼働をしないと,高度医療をやっている病院は経営にならないんですね。大雑把で少し乱暴な言い方をすると,恵山病院や南茅部病院はいつもこのようなベッド稼働率なので,そうしたらこの部屋数はいらないということなのではないか。実働に合わせたキャパで職員数がいるのであれば良いけれども,そうでなければ,恵山と南茅部は半分の職員が遊んでいるし,函病は25%が遊んでいることになる。
発想の転換で,在院日数を何日が妥当としているのか。患者側からすると早く帰らされすぎると最近の医療ではみんな思っています。例えばがんの手術をして,1週間から10日で帰される。実はしょうがないと患者さんは思っているが,精神的に心配と不安でいっぱいになる。日本全体の流れなのでしょうがないと十分理解していると思いますが,非常に急速に日本の医療がこのようになっているので,患者の不安が当たり前だということに民意がまだ追いついていないというのが現状です。
市立病院はどのくらいを目途に平均在院数を設定しているかという疑問と,ベッド稼働率が何%くらいであれば妥当と考えるのか。その為に,それを達成できない,手術室が足りないとか,何か原因があるのでしょうか。

■氏家委員
稼働率に関しては,許可病床に対しての稼働率です。患者重症度,看護師数などを考慮して実際に稼動させているベッドは486床なので,それでは95%くらいの稼働をしています。ベッド数が適当かということはまだわかりませんが,486床よりはもう少し多い方が良いと考えています。しかし看護師の数を見ながら,7対1で運営していくとしたら,490床くらいまでしか増やせないと思います。10対1であれば,もっとベッドを増やせるかもしれません。今後の人口推移を考えると,職員はあまり増やさないほうが良いと思っています。函病の場合は,今の稼働ベッド数で7対1を維持するためには,今の看護師数が必要です。
また在院日数ですけども,伊藤委員がおっしゃるとおり,まだ入院していたいのに帰されるという患者さんがいらっしゃると思います。例えば医学的には金曜日に帰ることができるけれど,付き添いの方が中々来られなくて大変だという人もおります。そういう方は土日退院でも良いのではないかと思います。少しだけDPCの基準からは伸びるかもしれないのですが,優しい医療に傾いた方が良いという事でやるようにしました。その結果,在院日数が1日くらいは伸びている傾向にあります。上半期よりは下半期の方が伸びてきています。

■伊藤委員
在院日数の話からですが,本来7対1は18日以下という縛りですが,急性期病院では14日以下というのが普通だろうと思います。私の病院でも12日前後,14日というのが妥当なのかなと思います。方向性が見えないので分かりませんが,あえてこれ以上在院日数を詰めることはいらないかと。先ほど,稼働ベッド数と違うと言っていましたが,毎日ベッドのやりくりをどうするのだろうというくらいの稼働になっています。すごい努力をしていると思います。先ほどの説明で,7対1を維持するには今くらいのベッドが正解だと思います。ベッドを増やすのがいいのか,増やした上での看護師数を増やしたらいいのか,検討課題になるかと思います。

■森下委員
補足させていただいてよろしいでしょうか。ベッド数に関しては,結核病床や感染症病床は,結核の患者さんしか入れられません。感染症も,そういう認定された人しか入れられなくて,例えば結核病床を10床持っていますが,今は6人位しか入院していない。時によって2人や3人になったりしますが,ベッドが空いているからといって結核じゃない人は入れられません。日常的に使える病棟については,90%以上で回しています。
在院日数に関しては,今は13.5日位で重症度が30%ギリギリ位なので,これぐらいの数値が我々の病院の経営上の目標値なのかなと思っています。

■鎌田委員長
少し教えていただきたいのですが,これから売り上げを維持していくという状況で,在院日数を今より減らして回転を速くして売り上げを伸ばすべきか,在院日数が少し伸びても,その分患者数を増やすのか。

■伊藤委員
例えば手術を100例行って在院日数が14日とします。120例行って在院日数14日にするとベッドが足りない。同じベッド数とすると12日位でしか回せない。ベッド稼働率を同じくして,回転を速くすれば当然単価が上がります。単価75,000円というのは,多分函館市内では1番ではないでしょうか。

■氏家委員
川崎医大より少し低いくらいで,大学なみです。

■伊藤委員
本当に日本の医療の厳しいところは,これからの働き方改革で何を改善すればいいのか。給料削減しかない。先ほど給料削減で2億くらいと言っていましたが,それしか道がなくなってしまう。

■氏家委員
改善すべき点は多々あったので,伸び代的な部分はあるように思います。丁寧というかここまでやっているの,という部分があります。電子カルテの割には紙ベースがどうしても多いので,そういった部分ももう少し削れるのではないか。そうすると,看護師の数は減らさないにしても,時間外が楽になるのではないかと思います。

■伊藤委員
今おっしゃったとおり,私も不満に思うのは,患者さんに次の予約をメモしていた。今は打ち出した紙でやっているのでそれなりに経費がかかる。紙が増えると印刷するトナーが高くて,経費がどんどん増えていくから,ここの病院もペーパーレスが大きな課題になっていると思います。
もう一つは,医療情勢が正確さを求めるあまりに,例えば注射するのに1人でやっていたが,今は2人で確認してやっているので倍の人数がかかる。要するに効率化という意味では,何かある時に余分なものを排除して質を高めるという訓練が非常になされていない。今の効率を妨げている大きな課題だろうと思います。昔はいかに効率よく無駄な仕事をしないかと必死になっていたのですが,今は中々難しいようです。

■鎌田委員長
私の事務所も仕事の削減を行っております。職員が作った調書の点検をしているが,枚数が減らない。調書を一枚作るのに15分かかる。100枚が50枚には減らせませんが,減らした分だけ時間は短くなります。医療では,事務手続きなど錯綜していると思います。真面目であれば真面目であるほど二重三重になってしまう部分もあると思います。私の経験で大変恐縮なのですが,前に函館市の包括外部監査をやっていた時に,業務手続の煩雑さ,とにかく説明資料を作るという効率の悪さに非常に驚いて,業務プロセスを直したほうが良いということを申し上げた記憶があります。医療だけに安全の段取りをものすごく削れるということはないのでしょうけど。なぜ削る話をしているかというと,これだけの好調を維持したいわけです。現場に負荷をかけないように。その為に仕事を減らすのが一番です。ただそれには皆さんが昨日までやっていた事と違うことを今日やらなきゃいけないので,リーダーシップなどが必要だと思いますが,氏家委員いかがでしょうか。

■氏家委員
業務改善が第一で,それが変われるのかという事ですが,今函病では各部署にまず見直してもらい,場合によっては他から第3者に来てもらい,業務が平均的なものなのか,過剰なのか,足りない部分があるのか,それらをみていただき,その意見を頂き参考にしています。看護局ではこのように行ってきているのですが,そこでいい指摘をいただいて,副院長2人を中心に,看護だけでなく医師や他の職種も絡んでおりますから,外来や病棟の具体的な業務改善について話し合っております。ただ,話し合うのは皆得意ですが結果が出るかどうかが大事であって,1カ月を目途に改善をお願いしていますが,少しずつでもいいから結果を出していかなくてはいけないと思っております。

■鎌田委員長
外部の方に業務を見ていただいたという事でしたが,看護師さんの業務内容についてですよね。それを見ていただいた現場の皆さんはいかがでしたか。

■益子看護局長
いつも我々が行っている業務は,当たり前だと認識しているところですが,第3者の方にみてもらう事によって,おかしい,二重三重になっている業務などの指摘を受けました。それらの指摘に関しては現場の師長方やスタッフにおきましても非常に刺激的でありまして,その内容に従って,改善できるところは改善していこうじゃないかという動きでワーキングを立ち上げています。

■伊藤委員
最後にこんな悪い話でなんですが,東洋経済という雑誌につい最近出たもので,自治体病院の成績の悪いワーストランキングというものがあって,市立函館病院が全国で悪い方で4番目に載っていて,50位以内に北海道の大きな市立病院が軒並み入っておりました。全国の都道府県の中で,割合でいうと北海道が圧倒的に多く,なんでなんだろうとこの間から考えていたのですが,人口が密集していないというのが理由かと思うのですが,これはもっともっと追究する余地があると思います。なぜ同じ自治体病院が困っている中で,北海道の自治体病院がワーストに載るのか,私もいろんな資料を集めて勉強しようと思っています。

■氏家委員
多分来年度は良くなっているなという気がします。

■鎌田委員長
病院だけが悪いわけではありません。何年か前に調べたところでは30万人以上の都市で,市民一人当たりの地方交付税を比べると,函館市は断トツに多いです。2位以下を大幅に引き離しています。市税が少ないということです。
先ほど業務の削減・改善という話が出ましたが,本当に今そこに注力をするべきだと思います。外からコンサルタントのような人に有償で見てもらってもいいですよね。

■藤田委員
委託料で払うことは出来ます。

■鎌田委員長
今後,外の方に見ていただいて,益子局長のお話では現場の方も肯定的に受け止めて動きもあるということですから,そういった事を重ねていただきたい。

■氏家委員
病院全体のコンサルテーションも入っていましたが,色々な人が色々な事を言うので,よく吟味して聞かないといけないかなと思いまして,それについても相談してやっています。

■鎌田委員長
現場の皆さんの仕事を減らすのと,場合によっては助手さんに人件費をもう少しかければ楽になって,今の素晴らしい成績を維持できるのであれば,お金をかけていいのでは。1億売り上げが伸びるのであれば1億使ってもいいのでは。

■氏家委員
ドクタークラークは非常勤という体制になっていて,その中にも長い間頑張っていて優秀な方たちもおりますので,そういう人たちを大事にしていく道を作っていこうと皆で話をしています。

■森下委員
その改革をやって行かないと10年後,20年後の健全経営は見通せないのでそれは必須と考えています。
また先ほどの伊藤委員の話ですが,私も先週学会に行ったら,その雑誌を見たと言われました。ただ成績が悪い分,見直せる部分も結構大きいのではないかと逆に考えております。

■鎌田委員長
全国でトップランキングに載ったそうですから,全国的に名前が上がりますよ。全国でとんでもない赤字だった病院が大黒字にしたと。それが見えてきたというのは凄いと思います。ただ,とにかく仕事を減らさなくてはいけない。プロジェクトチームとかはありますか。

■氏家委員
今,業務改善で,副院長2名,看護局,それに関連する職種で立ち上げて話し合いを始めています。

■鎌田委員長
今日の委員会に来たとき,凄い成績が出てきているなと本当にびっくりしました。やはり大変ですね。こんな良い成績が出たじゃないかという空気に変えられればいいですけどね。

■氏家委員
赤字がずっと続いて,資金不足比率が20%で賞与カットと言う時には職員は気落ちしたと思います。そこを改善しないといけないということが大事だと思います。医療と言うのは,風評に左右されることも多く,良い風評が起きないと中々改善できない。それを院長が中心に行っていくところです。

■高橋委員
IT化を進めていくと初期投資が大変だと思います。スモールスタートで良いと思います。それから徐々に広げていくというやり方をすると無理なく出来るかと。一般の企業はそうやっているはずなので。

■氏家委員
今,外来に患者用wi-fiを整備したので,それを使って,一つは患者サービス。それから外部の評価で看護師さんが使う端末が少ない,それが業務の障害だと言われたので,ある特定のところからそういう事をやって行こうと思います。

■鎌田委員長
仕事を減らすためと言ってもターゲットを絞って,また外の方に来ていただくか,プロジェクトチームを立ち上げて皆さんで進める事を是非進めていただきたい。是非よろしくお願いいたします。

□熊木経理課長
ありがとうございました。次回の委員会は30年度の決算見込み等を議題といたしまして,6月の開催を予定しておりますが,皆さんには改めましてご案内させていただきたいと存じます。
以上をもちまして本日の委員会を終了させていただきます。誠にありがとうございました。

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