腹部大動脈瘤

腹部大動脈瘤とは

体の中心を走る最も太い血管「大動脈」に、こぶができる病気「大動脈瘤」。
お腹の部分の大動脈にこぶができるのが「腹部大動脈瘤」です。「腹部大動脈瘤」は自覚症状がほとんどないサイレントキラーです。

腹部大動脈瘤の見つけ方

破裂する前に見つけたい。腹部大動脈瘤の発見には、腹部エコー検査が推奨されています。腹部エコー検査は痛みがなく、被曝の心配もありません。

腹部大動脈瘤の診断

専門医のもとでCT検査など詳しい検査を受け、直径3cm以上のこぶが見つかった場合、腹部大動脈瘤と診断されます。

腹部大動脈瘤の治療

こぶが小さいうちは大きくならないように生活習慣や血圧に気をつけます。こぶの破裂の危険性が高いと専門医が判断した場合は、手術による治療が検討されます。

腹部大動脈瘤が破裂した際の危険性と腹部大動脈瘤になりやすい要因

腹部大動脈瘤は自覚症状がほとんどないサイレントキラー。

日本では、毎年、約3,000人の方が腹部大動脈瘤の破裂によって亡くなっているといわれています。破裂した場合、多くの方は手術に至ることなく、亡くなっています。破裂する前に見つけて治療することが大切です。

腹部大動脈瘤になりやすい年齢や要因が分かっています。

多くの方が破裂後、手術前に亡くなる

(日本のデータ)
*破裂した場合の死亡率 約7割
[参考文献1]

年齢を重ねると起こりやすくなる

[参考文献2]

女性より男性のほうがなりやすい

[参考文献2]

腹部大動脈瘤リスクチェック

4つの質問に答えるだけで腹部大動脈瘤になりやすい要因を持っているかどうかが分かります。65歳以上の方、家族や友人に65歳以上の方がいる方は一緒にチェックしてみてください。

男性である

高血圧である/高血圧の治療を受けている

喫煙している/喫煙していた

両親や兄弟姉妹が腹部大動脈瘤と診断された

ひとつでもあてはまったら

腹部大動脈瘤の発見には、痛みがなく、被曝の心配もない腹部エコー検査が推奨されています。

-ジェルをぬって、深呼吸-

腹部エコー検査(腹部超音波検査)

[参考文献3]

腹部エコー検査で、検査を受ける側に必要とされる動作は、「吸って~、吐いて~」の深呼吸だけです。腹部エコー検査は検査する範囲によりますが、少しの間、仰向けになり、必要に応じて体の向きを変えるだけです。痛みや苦しみはありません。お腹の中を詳しく観察するためのジェルをぬって、超音波を発する機械を、お腹にあてます。

もちろん、超音波なので、被曝の心配もありません。

腹部エコー検査では、腹部大動脈のほか、肝臓、胆のう、すい臓、脾臓などの臓器の状態も検査されます。

65歳から考える健康チェック

酸いも甘いも、仕事もプライベートも色々な経験を経た65歳からの生活。
やりたいことを楽しむために、充実した生活のために、大切な人たちと楽しい時間を過ごすために、健康に気をつける。
自覚症状がない病気や忍び寄る病気を見逃さないためにも、「健診(健康診断/健康診査)」を受けることが大切です。

突然死を招くことも 65歳以上の方は一度は腹部エコー検査を

腹部大動脈瘤は、サイレントキラー。ほとんど自覚症状がありません。
破裂する前に発見できれば、かなり安全に治療できて、突然死を防ぐことができます。
腹部大動脈瘤の発見には、専⾨医師による拍動を感じる腫瘤(こぶ)の触診とともに、痛みや被曝の心配がない腹部エコー検査が推奨されています。
腹部大動脈瘤になりやすい人のキーワードは、「65歳以上」「高血圧」「喫煙歴」「家族に腹部大動脈瘤と診断された方がいる」です。心当たりのある方は、一度は腹部エコー検査を受けてください。

参考文献

  1. 森景 則保, 善甫 宜哉, 古森 公浩, 高橋 新. 破裂性腹部大動脈瘤の治療実態と治療開始までの時間に関する研究. 令和4年度 分担報告書4. 厚生労働科学研究成果データベース. 2023年7月24日 公開. アクセス 2024年1月4日. https://mhlw-grants.niph.go.jp/system/files/report_pdf/202209013A-buntan4.pdf
  2. Singh K, Bønaa ,K.H., Jacobsen BK, Bjørk L, Solberg S. Prevalence of and risk factors for abdominal aortic aneurysms in a population-based study : the tromsø study. American Journal of Epidemiology 2001;154(3):236-44.
  3. 西﨑泰弘. 検査のしくみ・検査値の読み方. 第2版. 東京: 日本実業出版社; 2022.