院長あいさつ

 5月8日から新型コロナウイルス感染症は感染法上の5類に分類されました。これに従い当院も面会禁止を緩和するなど体制の見直しを検討しています。ただし、ウイルスの性質が急に変わったわけではないので状況を見ながら遅滞なく変更していきます。

 当院はこれまでの3年に及ぶ期間の中で、1000人を超える患者さんの入院治療、1万5000件に及ぶワクチン接種、そして保健所が行うPCR検査のお手伝いを2万5000人分行ってきました。この地域では医療崩壊などの大きな混乱もなく、つつがなく医療行為が行われてきた中で、市立病院としての役割は果たせたと考えております。

 しかし病気は新型コロナウイルス感染症だけではありません。例えば昨年度の当院の救急車搬送数(ドクターヘリも含めて)は6千件を超えます。これまでで最高の受け入れ数です。上で述べた様にコロナ禍で病院負担が増えたにもかかわらず、通常の医療の分野でも与えられた役割は粛々とこなしてまいりました。

 ただし、残念ながら今回のパンデミックで日本の病院の欠点も明らかになりました。それは当院も例外ではありません。しかし『禍い転じて福となす』のことわざではありませんが、これを契機にPCR検査体制充実、集中治療室の増床、そしてECMO、人工呼吸器の数を大幅に増やしました。さらにIT、ロボットなどの最先端技術も取り入れました。病院機能は確実にグレイドアップされています。

 当院は1860年に開設された長い歴史を持ちます。これまでも多くの経験を重ね、地域と共に進化、成長してまいりました。今後も皆様が必要とする医療を提供できるよう、職員一同、切磋琢磨してまいりますので宜しくお願いいたします。

2023年5月
院長 森下 清文

主な経歴昭和57年 札幌医科大学卒業
平成13年 札幌医科大学助教授
平成15年 ヘルシンキ大学客員教授
平成30年 市立函館病院院長
指導医・認定医・専門医日本心臓血管外科学会認定 国際会員
日本胸部外科学会認定 特別会員
日本血管外科学会認定 特別会員