泌尿器科
当科では、尿路性器悪性腫瘍、腎不全、排尿障害、尿路結石、尿路感染症等を主に診療しています。悪性疾患では前立腺癌をはじめ膀胱癌、腎癌など泌尿器科領域の腫瘍が比較的早期に発見されるようになりました。2022年12月ロボット支援下前立腺全摘術を開始しており特に、前立腺癌の診療を強化していく方針です。また、本年4月より弘前大学腎臓内科による外来診療が開始となりました。当面、月1回ですが、蛋白尿、CKDのご相談等ぜひご利用ください。
- 腎癌の手術は腹腔鏡手術を中心に、症例により開腹術も行っています。転移部に関しては各科と協力し可能な限り摘除に努めています。手術不能な場合、薬剤は免疫チェックポイント阻害剤を主に投与し、症例により分子標的薬も使用しながら予後の改善をはかっています。
- 膀胱癌は表在性腫瘍に対してはTURisシステムを用い合併症の少ない経尿道的手術、筋層浸潤癌に対しては膀胱全摘後、尿路変向としてU字回腸代用膀胱造設も可能です。転移部の治療は化学療法(ゲムシタビン+シスプラチン)、腎機能低下している場合はシスプラチンに代えてカルボプラチンを投与しています。放射線療法を併用する場合もあります。また症例により免疫チェックポイント阻害薬、さらに新しく抗体薬物複合体も使用し予後の改善をはかっています。
- 早期前立腺癌に対しては手術もしくは放射線治療科に依頼しIMRT(強度変調放射線治療)を行い、悪性度の高いハイリスク癌に対してはneo-adjuvant療法後に手術もしくは放射線療法を行い治療成績の改善をはかっています。更に昨年ロボット支援手術(ダビンチXi)を導入し前立腺全摘を開始しました。出血も少なく患者さんの負担の少ない手術が可能となりました。転移を有する前立腺癌に対しても原発への治療介入により予後が改善されるとの報告もあり症例によりホルモン療法に加え放射線療法も併用しています。去勢抵抗状態となっても抗癌剤(ドセタキセル,カバジタキセル)、新規ホルモン剤を交互に用い治療を工夫しています。
- 前立腺肥大症に対しては薬剤による治療のほか、排尿状態悪化時にはTURisシステムによる経尿道的手術を行っています。また当院は救命センターも有しており、重篤な結石性腎盂腎炎を発症し搬送される方も多く、炎症所見改善後、可能であれば尿管結石に対し砕石装置(リトクラスト、ホルミウムレーザー)を用い経尿道的手術を行っています。
- 糖尿病、動脈硬化に起因した腎硬化症等により慢性腎不全となり透析を必要とする患者さんが増加しています。血液透析や腹膜透析の導入、指導、治療を実践しています。シャント造設は当科および血管外科で行っており人工血管シャントにも対応しています。腹膜透析カテーテル留置の際はPWAT(腹壁固定術)を行いカテーテル位置異常の予防に努めています。PAD(下肢末梢動脈疾患)も増加しており、当院の心臓血管外科は透析患者のEVT(血管内治療)に積極的に取り組んでいます。また血液透析患者の出産を産科とも協力し1例無事に経験しています。各科と協力し合併症の多い患者さんも広く引き受けております。
以上、泌尿器科疾患でお困りの際は遠慮なく是非、御相談ください。
状態安定後は、かかりつけの先生に逆紹介を基本とし、各病院、クリニックの先生方との連携を心がけています。
実績
※過去3年上位10症例のみ掲載しています
実積症例数 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 |
---|---|---|---|
膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用) | 44 | 71 | 52 |
経尿道的尿管ステント留置術 | 52 | 60 | 42 |
末梢動静脈瘻造設術(内シャント造設術)(単純) | 31 | 32 | 24 |
経尿道的尿路結石除去術(レーザー) | 20 | 30 | 25 |
腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いる) | – | 3 | 26 |
膀胱結石、異物摘出術 経尿道的手術 | 7 | 7 | 11 |
経尿道的前立腺手術(電解質溶液利用) | 5 | 6 | 7 |
腎(尿管)悪性腫瘍手術 | 4 | 4 | 7 |
膀胱悪性腫瘍手術(全摘) | 4 | 6 | 5 |
経皮的腎(腎盂)瘻造設術 | 5 | 6 | 3 |
診療予定
受付時間 | 午前 | 8時30分~11時 |
---|---|---|
午後 |
外来診察表
令和6年4月1日より
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | |
---|---|---|---|---|---|
午前 | 9時~ 西村 | 9時~ 日下 | 9時~ 第2~5 西村 | 9時~ 堀口 | 手術日 |
10時~ 堀口 | 9時~ 堀口 | 9時~ 日下 | 10時~ 西村 | ||
10時~ 堀口 | |||||
午後 | 手術日 | 検査日 | 手術日 | 検査日 | 手術日 |
スタッフ紹介

医療部長・科長・人工腎センター長
西村 祥二(にしむら しょうじ)Shoji Nishimura
- 主な経歴
平成2年 弘前大学医学部卒業 医学博士
平成6年 弘前大学大学院医学研究科修了
平成30年 弘前大学臨床准教授
- 専門分野
尿路性器悪性腫瘍、腎不全
- 指導医・認定医・専門医
-
日本専門医機構認定 泌尿器科専門医
日本泌尿器科学会認定 指導医

医長
日下 歩(くさか あゆむ)Ayumu Kusaka
- 主な経歴
平成24年 弘前大学医学科卒業
- 指導医・認定医・専門医
-
日本泌尿器科学会認定 指導医、泌尿器科専門医

医長
堀口 裕貴(ほりぐち ひろたか)Hirotaka Horiguchi
- 主な経歴
平成26年 愛知医科大学医学科卒業
令和3年 弘前大学大学院医学研究科博士課程修了
- 指導医・認定医・専門医
-
日本泌尿器科学会認定 泌尿器科専門医
日本メンズヘルス医学会認定 テストステロン治療認定医
手術支援ロボットda Vinci術者認定