看護におけるDXの取り組み -インカム編- 

当院では、看護の現場におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)の取り組みを進めています。その一つとして、モデル病棟を1か所設け、インカムの先行導入を開始しました。

インカムとは?

イヤホンとマイクを通じて、複数の人がハンズフリーで同時に通話できる通信機器(無線機)です。商業施設やイベント会場などで、スタッフがイヤホンを付けて連絡を取り合っている姿を見かけたことはありませんか?離れた場所にいるスタッフ同士が、リアルタイムで情報を共有できるのがインカムです。

導入の効果

看護現場へのインカム導入の目的は、“業務の効率化を図ることで、患者さんへのケアに充てられる時間をより確保すること”にあります。

たとえば、患者さんのケアで人手が必要な場合でも、手の空いているスタッフを探して歩くことなく、インカムを通して「手伝って欲しい」と応援を呼ぶことができます。

また、医師からの指示や業務連絡など、何か伝えたい情報があるときも、担当看護師を探し回ることなく、速やかに伝えることができます。

つまり、インカムを活用することで、スタッフを探す時間や移動の負担を減らし、その場を離れず、必要な連絡をスムーズに行えることで、業務の効率化が実現します。

その結果、患者さんへのケアに充てられる時間を、これまで以上に確保できるようになります。

実際に使用を始めてからは、以下のような声が聞かれています。

 ○1位 大声でスタッフを探し回ることがなくなった
 ○2位 ナースコールからケア実施までのタイムラグが減った
 ○3位 ケアに人数を要する場合の協力体制が強化された
 ○その他
 ・緊急時には、より迅速な応援要請が可能になった
 ・確認がスムーズになり、ご家族のお問い合わせに速やかに対応できるようになった
 ・ベッドサイドを離れずに必要な情報が得られるようになった
 ・スタッフ同士の会話から病棟の状況をリアルタイムで共有できるようになった
 ・他部門からの連絡や問い合わせに迅速に対応できるようになった

看護職員の人材不足が全国的に深刻化する中、デジタル技術を上手に取り入れながら、スタッフが働きやすく、患者さんに安心していただける環境づくりに取り組んでまいります。

なお、インカムは来春から他の病棟へも順次展開していく予定となっております。