クオリティ・インディケータ

QIプロジェクトとは

 QI(Quality Indicator) とは、医療の質を評価する目安となる数値などの指標のことです。

 当院では、(2014 年度から 2019 ・ 2020 年度は不参加) 日本病院会主催「QI推進事業(QIプロジェクト)」に参加し、自院の診療の質を知り持続的に改善していくことを目的とし、 病院における医療の質改善活動を実施しております。

QIプロジェクト結果(2022 年度)

 「 全国平均 」の値 は、 一般社団法人日本病院会の「QIプロジェクト(QI推進事業)フィードバックデータサマリー」( 500 床以上のQIプレジェクト参加医療機関)のデータを引用しております。

QIプロジェクト実績

入院患者満足度

指標の定義・説明

 入院中または退院時にアンケートを行った結果を集計し、当院の入院診療について総合的に満足しているかどうかを表す指標です。

計算方法

分子:この病院の入院について総合的に「満足」または「ほぼ満足」していると回答した入院患者数
分母:入院患者への満足度調査項目「この病院について総合的にはどう思われますか?」の設問有効回答数

.外来患者満足度

指標の定義・説明

 外来受診時にアンケートを行った結果を集計し、当院の外来診療について総合的に満足しているかどうかを表す指標です。

計算方法

分子:この病院の外来について総合的に「満足」または「ほぼ満足」していると回答した外来患者数
分母:外来患者への満足度調査項目「この病院について総合的にはどう思われますか?」の設問有効回答数

3-1.入院患者の転倒・転落発生率

指標の定義・説明

 入院中の患者さんの転倒やベッドからの転落は少なくありません。原因としては、入院という環境の変化によるものや疾患そのもの、治療・手術などによる身体的なものなど様々なものがあります。こうした事例分析から導かれた予防策を実施して転倒・転落発生リスクを低減していく取り組みが、転倒による傷害予防につながります。
 医療の結果を評価するアウトカム指標として、より低い数値が望ましいとされています。

計算方法

分子:医療安全管理室へインシデント・アクシデントレポートが提出された転倒・転落件数
分母:入院延べ患者数

転倒による損傷のレベル

損傷レベルインシデント
影響度分類
説明
1なし0、1、2患者に損傷はなかった
2軽度2または3a包帯、氷、創傷洗浄、四肢の拳上、局所薬が必要となった、あざ・擦り傷を招いた
3中軽度3a縫合、ステリ―・皮膚接着剤、副子が必要となった、または筋肉・関節の挫傷を招いた
4重度3b/4a/4b手術、ギプス、牽引、骨折を招いた・必要となった、または神経損傷・身体内部の損傷のため診察が必要となった
5死亡5転倒による損傷の結果、患者が死亡した
6UTD記録からは判定不可能

3-2入院患者の転倒・転落による損傷発生率(損傷レベル2以上)

計算方法

分子:医療安全管理室へインシデント・アクシデントレポートが提出された転倒・転落件数のうち損傷レベル2以上の件数
分母:入院延べ患者数

3-3入院患者の転倒・転落による損傷発生率(損傷レベル4以上)

計算方法

分子:医療安全管理室へインシデント・アクシデントレポートが提出された転倒・転落件数のうち損傷レベル4以上の件数
分母:入院延べ患者数

褥瘡(じょくそう)発生率

指標の定義・説明

 褥瘡とは、いわゆる”床ずれ”の事です。褥瘡は患者のQOL (生活の質)の低下をきたすとともに、感染を引き起こすなど治癒が長期に及ぶことによって、結果的に在院日数の長期化や医療費の増大にもつながります。
 医療の結果を評価するアウトカム指標として、より低い数値が望ましいとされています。

計算方法

分子:調査期間における分母対象患者のうち、d2以上の褥瘡の院内新規発生患者数
分母:入院延べ患者数

紹介割合

指標の定義・説明

 地域の医療機関からの紹介によって受診した患者数の割合を示しています。高度な医療を提供する医療機関にだけ患者が集中するのを避けるため、症状が軽い場合は「かかりつけ医」を受診し、そこで必要性があると判断された場合に当院へ紹介受診となります。

計算方法

分子:(紹介患者数+救急患者数)
分母:初診患者数

6.逆紹介割合

指標の定義・説明

当院から地域の医療機関に紹介した患者数の割合を示しています。治療を終え、症状が落ち着いたら、「かかりつけ医」へ紹介し、治療を継続または経過の観察を行います。

計算方法

分子:逆紹介患者数
分母:(初診+再診患者数)

7.尿道留置カテーテル使用率

指標の定義・説明

 尿道留置カテーテルは、患者さんの日常生活動作の妨げとなり、感染のリスクも増やします。特に高齢者では感染を起こすとしばしば致死的となる可能性もあります。したがって、なるべく留置しないケアの実施、清潔管理、早期の抜去などが求められます。 

計算方法

分子:尿道留置カテーテルが挿入されている入院延べ患者数
分母:入院延べ患者数

8.救急車・ホットラインの応需率

指標の定義・説明

 救急医療の機能を測る指標であり、救急車受け入れ要請のうち、何台受け入れが出来たのかを表しています。
 本指標の向上は、救急部門だけの努力では改善出来ません。救急診療を担当する医療者の人数、診療の効率化、入院を受け入れる病棟看護師や各診療科の協力など、さまざまな要素がかかわります。
 医療の過程を評価するプロセス指標として、より高い値が望ましいとされています。

計算方法

分子:救急車で来院した患者数
分母:救急車受け入れ要請件数

9.1か月間・100床当たりのインシデント・アクシデント発生件数

指標の定義・説明

 インシデント(incident)とは、医療の過程において、エラーが発生したか、あるいは発生しかけたが、患者に障害を及ぼすことなく、医療事故には至らなかったものを指します。
 アクシデントとは、(accident)とは、防止可能なものか、過失によるものかにかかわらず、医療に関わる場所で、医療の過程において、不適切な医療行為が結果として患者へ意図しない傷害を生じ、その過程が一定以上の影響を与えた事象をいいます。

計算方法

分子:調査期間中の月毎のインシデント・アクシデント発生件数×100
分母:許可病床数

10. 全報告中医師による報告の占める割合

指標の定義・説明

救急搬送受入れ要請のうち、当院で受け入れが出来た割合を示しています。

計算方法

分子:分母のうち医師が提出したインシデント・アクシデント報告総件数
分母:調査期間中の月毎のインシデント・アクシデント報告総件数

11.18歳以上の身体抑制率

指標の定義・説明

 身体抑制とは、道具または薬剤を用いて、一時的に当該患者の身体を拘束し、その運動を抑制する事を言います。これまでの医療や介護の現場では援助技術の一つとして安全を確保する観点からやむを得ないものとして行われてきた経緯がありますが、近年、身体抑制は原則として全て虐待に該当する行為と考えられています。

計算方法

分子:(物理的)身体抑制を実施した患者延べ数
分母:18歳以上の入院患者延べ数

12.退院後7日以内の予定外・緊急再入院割合

指標の定義・説明

 患者さんの中には、退院後早期に予定外の再入院をすることがあります。その要因としては、入院中の治療が十分でなかったことや退院時の説明が不十分だったことなどが考えられます。この数値が低いほど、患者が十分な治療を受けて退院することができているということになります。

計算方法

分子:前回退院から7日以内に計画外で再入院した患者数
分母:退院患者数

13.30日以内の予定外再入院率

指標の定義・説明

 当院を退院された患者さんのうち30 日以内に予定外の再入院となった割合を示しています。
 この指標が低いほど患者さんは十分な医療を受けて退院されたと言うことができます。

計算方法

分子:前回の退院日が30日以内の救急医療入院患者数
分母:退院患者数