生理検査センター
生理検査センターは1F生理検査室と2F聴力検査室で心電図や聴力検査、超音波検査など直接患者さんと接する検査を行っており、臨床検査技師17名と助手1名が在籍しています。
主な認定資格として認定超音波検査士(消化器・循環器・体表・血管)を9名、血管診療技師(CVT)を4名、心電図検査認定を2名、脳波分野専門技術師を1名取得しています。(2023年10月現在)また、超音波検査は日本超音波検査学会精度認定制度にてA評価を5領域で取得しており、高い検査精度が認められています。スタッフは学会、勉強会、院内多職種連携チームに積極的に参加し、診療に貢献できるよう日々努力しています。
業務内容
心電図
両手足と胸部に電極を装着し、心臓の電気的な活動の様子をグラフの形に記録します。狭心症や心筋梗塞、不整脈など心臓疾患の診断に利用されます。
運動負荷心電図
運動負荷心電図としてマスター負荷心電図とトレッドミル負荷心電図を行っています。マスター負荷心電図では、2段の階段を年齢、性別、体重で決められた回数だけ昇降します。トレッドミル検査では、一定の時間ごとに速さや傾きが変わるベルトコンベア状の運動器の上を歩行します。運動を行うことにより心臓の酸素需要量を増加させ冠動脈疾患などの有無を調べる検査です。特に労作性狭心症の診断に有用な検査です。
ホルター心電図
通常の安静時心電図には現れない一過性の不整脈の検出、狭心症の診断などに用いられる検査です。24時間心電図を記録できる機器を患者さんにつけてもらい翌日取り外して解析します。
肺機能検査
最大吸気した状態からゆっくり完全に呼出した肺活量と、最大吸気した状態から一気に呼出した努力性肺活量を測定することで、肺機能を調べることができます。また、努力性肺活量では呼気速度の変化であるフローボリューム曲線を見ることができ、近年増加しているCOPD(慢性閉塞性肺疾患)などの診断に利用されます。最大換気量(MVV)、機能的残気量(FRC)、肺拡散能(DLCO)、クロージングボリューム(CV)、呼吸抵抗(Rrs)などさらに詳しく肺機能を調べる検査も行っています。
血液脈波検査(ABI/CAVI/TBI)
上下肢の血圧を左右それぞれ同時に測定することで、下肢動脈血管の狭窄や閉塞、血管の硬さを評価することができます。閉塞性動脈硬化症(ASO)の診断や治療効果の判定に有用な検査です。
尿素呼気試験
胃・十二指腸潰瘍、胃癌と深く関わりのあるヘリコバクターピロリ(ピロリ菌)の有無を調べる検査です。検査薬を服用前後の呼気を採取して測定します。
皮膚潅流圧検査(SPP)
皮膚における毛細血管の定量的な評価を行う検査で、末梢動脈疾患のある患者さんなどに行われます。また、難治性創傷のある患者さんに対し最適な治療法を決定するためにも利用されます。
脳波・神経生理検査
脳波検査は頭皮上に電極を装着し、大脳皮質から発生する脳波を記録します。てんかんが疑われるとき、けいれんや意識障害が見られたときなどに検査を行います。当院は臓器提供施設であり、脳死判定も行っています。また、末梢神経障害の有無を調べる運動神経伝導速度検査や感覚神経伝導速度、顔面神経麻痺を調べる検査なども行っています。
睡眠評価検査
睡眠中の呼吸状態や経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)の計測から睡眠の質を評価します。睡眠時無呼吸症候群の診断や治療効果の判定に有用な検査です。
耳鼻科関連検査
耳が聞こえづらい患者さんに聴力検査を行っています。必要に応じて内耳機能検査、語音聴力検査などさらに詳しく調べる検査も行っています。また、めまいのある患者さんに重心動揺検査や眼振検査なども行っています。
超音波検査
人の耳では聞き取ることができない音(超音波)を使って腹部臓器、心臓、甲状腺、乳腺、上下肢血管など体の様々な部分を検査します。また、ソナゾイド造影超音波検査、肝生検、ラジオ波焼灼術など超音波を用いた肝臓疾患の診断・治療、甲状腺や乳腺の腫瘍の穿刺、経食道心臓超音波検査なども行っています。当院では平成23年度よりGE社 LOGIQ E9を導入し、volume navigation systemを用いた診断・治療支援も行っています。