輸血・細胞治療センター
市立函館病院 輸血・細胞治療センターでは、『適正輸血の推進』『確実・迅速な輸血検査』『正しい輸血情報の収集と提供』を基本目標として掲げ、センター長以下、認定輸血検査技師2名を含む専任の臨床検査技師5名で業務を行っています。休日や祝祭日含め365日、輸血・細胞治療センター専任の臨床検査技師が業務にあたっており、より安全な輸血療法が行えるよう取り組んでいます。
夜間は当センター以外の中央検査部に所属する臨床検査技師にも協力して頂き、24時間体制で輸血依頼に対応しています。当センターでは、輸血に使用する血液製剤(赤血球液、新鮮凍結血漿、濃厚血小板)、血漿分画製剤(アルブミン製剤)の一元管理を行っているほか、自己血、造血幹細胞の管理も行っています。また、輸血を行う前に必要な血液型検査や不規則抗体検査、交差適合試験などの検査は、毎日の精度管理で正確性・精密性が保証された全自動輸血検査装置により検査され、確実・迅速な輸血検査を実現しています。
さらに、定期的に輸血療法委員会を開催し、血液製剤や血漿分画製剤の使用量・廃棄量・査定状況を把握することに加え、院内の輸血に関する情報や日本赤十字社から提供される新しい輸血情報を他職種に向け啓蒙するなど、より適正な輸血の実施に努めています。
ほかにも、輸血副作用発生状況の把握と管理、特殊な血液型やHLA-PC適応の患者様への説明、輸血同意書の補足説明など、輸血や細胞治療に関わる業務全般を行っています。
2025年3月からは、コンピュータクロスマッチを導入し、迅速な血液製剤の供給、人為的過誤の排除、検査業務の省力化が可能となりました。
施設認定・認定資格
- 輸血管理料Ⅰ
- 輸血適正使用加算
- 輸血機能評価認定施設(I&A制度認定施設)
- 臨床検査室の国際標準規格認定施設(ISO 15189認定施設)
- 認定輸血検査技師(日本輸血・細胞治療学会)4名
- 細胞治療認定管理師(日本輸血・細胞治療学会)3名
- 二級臨床検査士(免疫血清学)(日本臨床検査同学院)2名

当センターは2015年から輸血・細胞治療学会による輸血機能評価認定施設(I&A制度認定施設)であり、適切な輸血管理が実施され輸血の安全が保証されている施設と評価されています。今後も「安全で安心」な輸血療法が行えるよう、輸血・細胞治療センターのスタッフ一同、精進していきたいと思っています。
業務内容
輸血管理業務
- 輸血用血液製剤(赤血球液、新鮮凍結血漿、濃厚血小板など)の管理
- 血漿分画製剤(アルブミン製剤)の管理
- 新鮮凍結血漿の融解
- 輸血前検体保管
- 「輸血療法に関する説明と同意書」の取得確認
- 輸血副作用発生状況の把握と管理
- 特殊な血液型やHLA-PC適応の患者様への説明
- 輸血同意書の補足説明

輸血検査業務
- 血液型検査
- 不規則抗体スクリーニング、同定検査
- 交差適合試験
- 直接クームス試験
- 間接クームス試験
- 血液型亜型検査
- 抗体価測定 など

自己血輸血関連業務
- 貯血式自己血の管理
- 希釈式自己血の管理
移植関連業務
- 造血幹細胞採取(骨髄、末梢血)
- 骨髄幹細胞移植(骨髄、末梢血、臍帯血)
- 骨髄バンクドナーの骨髄・末梢血幹細胞採取
- 造血幹細胞の保管・管理
その他
- 輸血療法委員会の事務局
- 院内への情報提供
- 輸血監査
