放射線治療部門
放射線治療とは
放射線治療とは、がん細胞と正常組織の感受性の差を利用して、がんの縮小や消失を目指す治療です。また、根治から緩和まで幅広く対応できる特徴を持っています。当院では、放射線治療装置を用いた治療だけでなく、婦人科領域に対する密封小線源治療もおこなっております。
主な使用装置
放射線治療装置 : TrueBeam Varian社製
治療計画用装置 : Eclipse Varian社製
治療計画用CT装置 : Aquilion Prime Canon社製
RALS(リモートアフターローディング装置) : Multi Source E&Z BEBIG 社製
一般的な放射線治療の流れ
1.放射線治療の診察
はじめに、主科から依頼を受けた放射線治療医が診察を行います。そして、患者背景や医学的観点などを考慮して、治療方針を決定します。そして、治療に対する効果と副作用等を聞いて、同意が得られた場合に治療の準備を進めていきます。
2.治療計画用CTの撮影
治療する位置や範囲を正確に把握するため、治療計画用のCTを撮影します。撮影の際は、治療の時と同じ姿勢を担保できるように専用の固定具を使用します。また、頭頸部の治療用CTでは、固定精度の向上させるためにシェルという網目状のお面を作成してから撮影します。肺野や肝臓など呼吸に合わせて移動を伴う臓器に対して、専用の機器を用いて呼吸を制御しながら撮影する場合があります。治療する目印が必要なため、撮影終了後は体に十字のマークを描きます。
3.放射線治療計画の作成
CT装置で取得した画像を、治療計画専用のコンピュータに取り込み治療計画を立てます。治療計画によって、照射する部位や照射範囲、照射する方向、放射線の線質、照射回数、照射線量を決定します。
4.放射線治療計画の確認
作成された治療計画に対してダブルチェックを行います。また、治療計画専用のコンピュータで計算された値を、実際の計測や別のコンピュータの計算結果と比較して確認します。
5.放射線治療装置の照射期間
照射する際は、CTで使用した固定具や放射線治療装置付属のX線装置(レントゲン装置)を用いて、適切な位置に合わせてから、放射線を照射します。また、照射期間は、皮膚の観察、体調の確認、週に1度の診察など、状態を管理しながら照射を行います。
放射線治療機器の精度管理
正確に治療が行えるように、機器の放射線計測、幾何学的位置精度の管理をスケージュールに沿って行っています。また、放射線の線量は、数年に1度、第3者機関による線量評価を行い確認しています。
パンフレット
よく聞かれる質問
Q1.前の病院でCTを撮りましたが、もう1度撮影が必要ですか?
数日前に当院でCTを撮りました。もう1度撮影が必要ですか?
今回のCT画像は、放射線治療で使用するので、再度、撮影させていただきます。
Q2.照射中に機械音が聞こえるのですが?
基本的に放射線治療装置が照射している音、動いている音の場合が多いです。
Q3.照射回数は何回ですか?
治療する部位や症状によって変わります。最終的な照射回数は、治療計画が出来た後にわかります。
Q4.放射線治療は、通院での治療は可能ですか?
放射線治療だけの場合は、基本的に通院での治療は可能です。抗がん剤治療(薬の治療)や手術を行う場合には、入院が必要な期間があります。
Q5.放射線治療は、通院での治療は可能ですか?
基本的にお風呂に入っても大丈夫です。しかし、体に描いてあるマークが消えないように気を付けてください。また、放射線による皮膚反応がある場合には、なるべく皮膚の刺激は避けください。
Q6.照射中の痛みは感じますか?
放射線治療で照射中に痛みを伴うことはありません。しかし、副作用として皮膚の反応や、口腔内の痛みを伴うことがあります。詳しくは担当の放射線治療医にお尋ねください。
Q7.線を描き足して良いですか?
基本的に放射線治療のスタッフが対応を行います。長期の休みの時は、自分で目印をつけて頂くこともあります。
Q8.体の毛やひげは剃っても良いですか?
照射部位の毛を剃ると、皮膚を傷つけて治りにくくなることがあります。そのため、照射部位の毛は剃らないことをおすすめしています。
Q9.体のマークは、何に使用していますか?
体の傾きを合わせるための目印に使用しています。
Q10.副作用は、いつからどの程度でますか?
治療部位、照射する線量、個人差などで変わります。そのため、詳しくは担当の放射線治療医にお尋ねください。